カテゴリー:Ⅱ

  • 芸者のはおり

    九州長崎の丸山に、なかなか口の達者な女性がいた。会話の中に英語などをいれたりするので、 ――ガクがあるね。 といったら、とたんに、 ――どうせモンなしょ。 といいかえした。なるほどたしかに乍としっただけで…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • たい・だい・おお

    この字はなんと読みますか、といって「大」という字を示したら、だれだって、ひとをばかにするな、というだろう。しかし、ほんとうにそうだろうか。 さらに、もし外人留学生などに、どうしてそう読んで、こうは説まないのかと聞かれた…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • とんぼはどこへ

    先月高知ヘ行って、竜河洞に案内された。強烈な洞内の印象にややぼう然として、旅館の二階で少し休んでいたら、てすりに、トンボが一匹やって来てとまった。クルクルとまわしている大きな目玉を見ている中に、私は、ハッとした。今年の夏…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • なめている懸賞

    落語にでて来る間抜けな男が、人のまねをして「なぞ」を言いかける。そのなぞが間放けきわまりないもので、――たとえば、足が四本ある動物で、頭に角がある。そうしてモウとなく動物はなんだ、と聞く。相手が牛だと符えると、エライなと…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • クーラーとジューサー

    大阪の夏は東京より暑いと相場がきまっているのに、わたしの友人が大阪から帰って来て大阪って涼しいぜと、真顔で言った。聞いてみると、この友人は、特急こだまで西下し、駅につくや、会社のカー・クーラー付きの自動車でホテルに行き、…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • おとおしもの

    うなぎ屋だとか、てんぷら屋だとかは、本来いわば無愛想なもので、うなぎ屋は、まだしもきもの吸いものだとか、きも焼きだとか、うなぎにしてもしら焼きなどがあるが、てんぷら思となると、まったくてんぷらそれだけで、わたしの生家の銀…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 司会者

    結婚式の披露宴に、このごろ司会者が必ずいるようになった。そして多くの場合、その 司会れが、目ざわり、耳ざわりである。 放送がさかんになって、聴視者参加得組がふえ、必然的に司会及び司会業がクローズ・アップされて来た。 …
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 一見紳士風

    東京の千代田区、銀行や一流会社の真ン中にある、道路に面した喫茶店にはいって、人を待ちながらぼんやり通りをながめていた。そこは片側が有料の駐車場になっていて、窓ぎわにいる私の鼻っ先に、りっぱな自動車がズラリと並んでいた。私…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 寄席衰亡

    就職試験の時期になると、珍答申朱が話題にのぼるが「真打ち」という語の意味を問うた答えに「ホームラン」というのがあったと聞いた。思わず笑ってしまったが、これは文字どおり「おもしろうて、やがて悲しき」話である。 大学を出よ…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 小唄ばやり

    ――へえ、篤いたね。この節は。料理屋のお座敷にひもうせんをしかして、お客が小唄を歌うんだってね。 と、明治十七年の東京生まれの私の父が晩年私にこう言った。父は昭和二十八年になくなったから、晩作とはつまり戦争後のことにな…
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. 東京の感傷

    大学生になって、初めて一二聞の慶応義熱に通うようになったころ、大学の正門をはいったところにある常生用…
  2. マラリヤ

    百日余りにわたった山古島の森雨のもととなった、ピンフの森の火事は、マラリヤ予防のために、宿営地の付近…
  3. 心ないしうち

    わたしのような、東京下町の商家の生まれの者は、しわくちゃなお札を商人からおつりとして渡されると、商人…
  4. とんぼはどこへ

    先月高知ヘ行って、竜河洞に案内された。強烈な洞内の印象にややぼう然として、旅館の二階で少し休んでいた…

ピックアップ記事

  1. なめている懸賞

    落語にでて来る間抜けな男が、人のまねをして「なぞ」を言いかける。そのなぞが間放けきわまりないもので、…
  2. 大陸の水

    今年、関東は異常な潟水に見舞われた。 夏の前は貯水池の水が文字どおり底をついて東京は断水に苦しめら…
  3. 東京の感傷

    大学生になって、初めて一二聞の慶応義熱に通うようになったころ、大学の正門をはいったところにある常生用…
  4. 見づらい

    日本陸軍の有名なリンチは海軍とも違い、また同じ陸軍のなかでも部隊によって違い、さらに中隊のなかでもま…
  5. あとがき

    文章を書けという注文で、たった三枚ですから、と一言われるのはつらいことだ。題材という点から言えば、三…
  6. ノミの歌

    満州のハエもひどかった。A型パラチフスが連隊じゅうにまんえんして、われわれは使所のガラス窓に紙をはっ…
ページ上部へ戻る