過去の記事一覧

  • 大陸の水

    今年、関東は異常な潟水に見舞われた。 夏の前は貯水池の水が文字どおり底をついて東京は断水に苦しめられ、夏のあとは、とりわけ九月は照りっぱなしで雨が降らなかった。こんな年は珍しいが、しかしたまにこういうことでもないと、わ…
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  • 旅のふしぎ

    旅というものには、ふしぎな行き会いがあるものである。 鹿児島県の指宿をたって霧島温泉に行き、宮崎に出、青烏に遊び、瀬戸神宮まで行った前後四日ほどのあいだ、わたしは東京の人らしい三人づれと、あとになり先になり会っては別れ…
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  • 八代湾のほとり

    天草をひき上げて、一旦熊本に行き、さらに南にくだって、今度は逆に、九州の西海岸を鹿児島県の阿久根から熊本まで、ところどころ歩きながら、あちこち見歩いた。 黒の瀬戸の潮流を見たり、万葉に出てくる水島だと言われているところ…
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  • 京のある日

    十一月十一二日〈金曜日〉 午後から三千院に行ってみる。 三千院をえらんだのは別に深い意味はない。何年か前に大原の寂光院ヘウィークデーの午後、まさか人が出ているとは思わないので、しずかな大原を楽しもうと思って出かけて行…
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  • 「はっかり」不乗記

    国鉄にまつわる一つの美談である。と言っても修身の教材にはならない、わが家のほんのささいな、ないしょごとにすぎないが。 私は去年の十二月十日の「はっかり」の試乗に誘いをうけた。本来なら何はおいても出かけるところだ。しかし…
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  • ホテル・宿屋・旅館

    ホテルと言い、宿屋と言い、また旅館と言う。さすがに、はたご屋はなくなったが、この三通りの言い方は、今日通用しており、しかも、三者それぞれ違いがある。必ずしも、ホテルは旅館よりもよく、旅館は宿屋よりもよく、宿屋はホテルより…
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  • 芸者のはおり

    九州長崎の丸山に、なかなか口の達者な女性がいた。会話の中に英語などをいれたりするので、 ――ガクがあるね。 といったら、とたんに、 ――どうせモンなしょ。 といいかえした。なるほどたしかに乍としっただけで…
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  • たい・だい・おお

    この字はなんと読みますか、といって「大」という字を示したら、だれだって、ひとをばかにするな、というだろう。しかし、ほんとうにそうだろうか。 さらに、もし外人留学生などに、どうしてそう読んで、こうは説まないのかと聞かれた…
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  • とんぼはどこへ

    先月高知ヘ行って、竜河洞に案内された。強烈な洞内の印象にややぼう然として、旅館の二階で少し休んでいたら、てすりに、トンボが一匹やって来てとまった。クルクルとまわしている大きな目玉を見ている中に、私は、ハッとした。今年の夏…
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  • なめている懸賞

    落語にでて来る間抜けな男が、人のまねをして「なぞ」を言いかける。そのなぞが間放けきわまりないもので、――たとえば、足が四本ある動物で、頭に角がある。そうしてモウとなく動物はなんだ、と聞く。相手が牛だと符えると、エライなと…
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目次


あとがき
 

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  1. たい・だい・おお

    この字はなんと読みますか、といって「大」という字を示したら、だれだって、ひとをばかにするな、というだ…
  2. 八代湾のほとり

    天草をひき上げて、一旦熊本に行き、さらに南にくだって、今度は逆に、九州の西海岸を鹿児島県の阿久根から…
  3. うそをついた話

    坪内逍遙博士の児童劇の公演を見に行った。博士の『逍遙選集』の付録でみると、大正十一年十一月二十五日土…
  4. あの頃の銀座

    私は銀座生まれの銀座育ちだから、大正中期から記憶がはじまって、昭和十六年、応召するまでの銀座を知って…
  5. 見づらい

    日本陸軍の有名なリンチは海軍とも違い、また同じ陸軍のなかでも部隊によって違い、さらに中隊のなかでもま…
  6. 軍隊語

    赤紙の召集令状をもらって星一つの新兵で入隊したら、馬部隊であった。古兵たちがキンポウというので考えて…
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